アイテム詳細
スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫SF)
フィリップ・K. ディック/ 早川書房
グループ:Book /ランキング:166348
価格:¥ 924
発売日:2005-11 /通常24時間以内に発送
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カスタマーレビュー
おすすめ度:
3度読めば何かわかるかも
(2007-08-03)
難しい。 近未来SF麻薬廃人小説。
30年前に描かれた著者の世界観は、
一部は現実となり、残りは未だ夢物語だ。
読後は、遊園地のコーヒーカップに乗って
ハンドルを思いっきり回した後のような、
そんな目まいさえ覚えてしまう。
囮の麻薬捜査官が麻薬によって壊れていく、
そんな三文小説にもあるようなストーリーは、
著者の繰り出す小道具のひとつでしかない。
自分と他人の区別と境界が溶けて曖昧になり、
深い渦に吸い込まれるが如く落ちてゆく。
爽やかでもないし、ハッピーエンドもない。
断片的な記憶が、今にも崩れ落ちそうな記憶が、
危なっかしく組み立てられて綴られていく。
あぁ、後でもう一度、読み直してみよう。
面白いが、超難解。
(2007-04-21)
ディックの作品のなかでも、特に難しい作品だな。俺は、一読目サッパリわからなくてもう一度読み返した。それでも、完全に理解できたとは思えない。やっと一部理解出来たくらいだが、そのおかげで何となくだが面白さがわかったような気がする。主人公が、だんだん麻薬中毒になって壊れてく所は、妙に幻想的に表現されてる。何となく、美しさまで感じる。まさか映画になるとは思わなかったが。ほとんど表現するには不可能な感じがしたから・・・。で、一応映画の方も観たが、何だかわけの判らないすごい状態になってるな。CG?と実写の合成?なのかな、どうも非常に不愉快な不安定な表現の方式だとしかおもえない。観てると、イライラしてくる。それに、原作を知らない人が映画を先にみたら、「なんだコリャ?」ってなるなと思う。この作品に関しては、絶対に原作を先に読んでおかないと理解不能に陥る。最悪の場合、途中退場か居眠りだ。だから、もしDVDビデオ買うつもりなら一度は読んどいた方がいい。少しは理解出来るかもしれないから。それでも、原作にはかなわないが。
一時の楽しみとしての麻薬の罰
(2006-11-13)
この本は、1977年の作品(書かれたのは73年)なのですが、少しも古さを感じません。
主人公ボブ・アークターは、麻薬のおとり捜査官で、その時はフレッドという名前を使っています。そして、壊れてしまってニュー・パスの施設に入居すると、ブルースという名前で呼ばれています。このあたりの名前と人物の性格描写の使い分けが見事で、主人公の徐々に壊れてゆく様子が見事に表現されています。
途中では、仲間同士の間で、おとり捜査官、密告者といった疑心暗鬼な部分も出てきて、しょっとミステリー色も楽しめます。
いずれにしても、一時の楽しみとしての麻薬は、大きな罰を伴うものだということが、切実なタッチで描かれていて面白い作品でした。
この間、映画の予告編を見ましたが、キアヌ・リーブス、ウィノナ・ライダーなどの出演の実写をアニメ処理したものでした。それが、この作品のイメージをより高めているように思いました。機会があれば、映画も是非見たいと思います。
2006秋ごろ映画公開
(2006-05-01)
ディックの中で最も好きなこの作品、夢にまで見た映画化です。
主役はキアヌ・リーブスで、監督はリチャード・リンクレーター。映画のほうはCGの特殊処理により動く油絵みたいになっています。本国アメリカでは7月公開らしく、日本では秋辺りに見れるでしょう。
予告編を見た限りでは原作に忠実に、映像化されているみたいで期待は大きい。予告編は、ワーナーブラザーズの公式サイトにリンクがあります。
両方の訳とも、やはりとても良いです。
(2006-02-20)
創元SF文庫から山形浩生さんの訳、「暗闇のスキャナー」の邦題で出ていた"The Scanner Darkly"を、浅倉久志さんが新訳したのがこのスキャナー・ダークリー。
内容に関しては、ディック後期の傑作ということもあり、色々なところに書かれているので、僕は翻訳の違いに関して感じた事を。
ハヤカワやサンリオの浅倉久志訳でディックの作品に親しんでいた僕は、山形訳の暗闇のスキャナーの翻訳は言葉が少しシャープ過ぎる感じもしていたけれど、今回浅倉訳が出て、改めて読み比べてみると、登場人物のボブ・アークターが壊れてしまった後なんかは、山形さんの訳の方がしっくり来て、アークターが人とは違う何かになってしまった感じがよく伝わってくるように思う。細かな感情表現など、僕らがリアルに感じる言葉で訳している分、感情移入も誘われる。この山形さんの訳に対しては好き嫌いがはっきりでそうな気がするけど、若い子は多分こちらに惹かれると思う。
一方、浅倉訳の方は、文の調子に慣れているせいもあってか、文章が読みやすく、文の繋がり、運びが上手くよどみない感じがした。あまりにもすぐなくなるような現代的で過激な表現は使われてないし、それだけ文が柔らかいので、ディックをはじめて読む人とかには、浅倉さんの訳がお勧めだと思う。
読み比べても楽しめるので、ディック好きなかたは、躊躇せず、両方、出来れば原書も買いましょう。
何度読んでも、アークターが分裂して行くところの描写や、最後の農場での独白は心に迫るものがある。
おすすめ度:
3度読めば何かわかるかも
難しい。 近未来SF麻薬廃人小説。
30年前に描かれた著者の世界観は、
一部は現実となり、残りは未だ夢物語だ。
読後は、遊園地のコーヒーカップに乗って
ハンドルを思いっきり回した後のような、
そんな目まいさえ覚えてしまう。
囮の麻薬捜査官が麻薬によって壊れていく、
そんな三文小説にもあるようなストーリーは、
著者の繰り出す小道具のひとつでしかない。
自分と他人の区別と境界が溶けて曖昧になり、
深い渦に吸い込まれるが如く落ちてゆく。
爽やかでもないし、ハッピーエンドもない。
断片的な記憶が、今にも崩れ落ちそうな記憶が、
危なっかしく組み立てられて綴られていく。
あぁ、後でもう一度、読み直してみよう。
面白いが、超難解。
ディックの作品のなかでも、特に難しい作品だな。俺は、一読目サッパリわからなくてもう一度読み返した。それでも、完全に理解できたとは思えない。やっと一部理解出来たくらいだが、そのおかげで何となくだが面白さがわかったような気がする。主人公が、だんだん麻薬中毒になって壊れてく所は、妙に幻想的に表現されてる。何となく、美しさまで感じる。まさか映画になるとは思わなかったが。ほとんど表現するには不可能な感じがしたから・・・。で、一応映画の方も観たが、何だかわけの判らないすごい状態になってるな。CG?と実写の合成?なのかな、どうも非常に不愉快な不安定な表現の方式だとしかおもえない。観てると、イライラしてくる。それに、原作を知らない人が映画を先にみたら、「なんだコリャ?」ってなるなと思う。この作品に関しては、絶対に原作を先に読んでおかないと理解不能に陥る。最悪の場合、途中退場か居眠りだ。だから、もしDVDビデオ買うつもりなら一度は読んどいた方がいい。少しは理解出来るかもしれないから。それでも、原作にはかなわないが。
一時の楽しみとしての麻薬の罰
この本は、1977年の作品(書かれたのは73年)なのですが、少しも古さを感じません。
主人公ボブ・アークターは、麻薬のおとり捜査官で、その時はフレッドという名前を使っています。そして、壊れてしまってニュー・パスの施設に入居すると、ブルースという名前で呼ばれています。このあたりの名前と人物の性格描写の使い分けが見事で、主人公の徐々に壊れてゆく様子が見事に表現されています。
途中では、仲間同士の間で、おとり捜査官、密告者といった疑心暗鬼な部分も出てきて、しょっとミステリー色も楽しめます。
いずれにしても、一時の楽しみとしての麻薬は、大きな罰を伴うものだということが、切実なタッチで描かれていて面白い作品でした。
この間、映画の予告編を見ましたが、キアヌ・リーブス、ウィノナ・ライダーなどの出演の実写をアニメ処理したものでした。それが、この作品のイメージをより高めているように思いました。機会があれば、映画も是非見たいと思います。
2006秋ごろ映画公開
ディックの中で最も好きなこの作品、夢にまで見た映画化です。
主役はキアヌ・リーブスで、監督はリチャード・リンクレーター。映画のほうはCGの特殊処理により動く油絵みたいになっています。本国アメリカでは7月公開らしく、日本では秋辺りに見れるでしょう。
予告編を見た限りでは原作に忠実に、映像化されているみたいで期待は大きい。予告編は、ワーナーブラザーズの公式サイトにリンクがあります。
両方の訳とも、やはりとても良いです。
創元SF文庫から山形浩生さんの訳、「暗闇のスキャナー」の邦題で出ていた"The Scanner Darkly"を、浅倉久志さんが新訳したのがこのスキャナー・ダークリー。
内容に関しては、ディック後期の傑作ということもあり、色々なところに書かれているので、僕は翻訳の違いに関して感じた事を。
ハヤカワやサンリオの浅倉久志訳でディックの作品に親しんでいた僕は、山形訳の暗闇のスキャナーの翻訳は言葉が少しシャープ過ぎる感じもしていたけれど、今回浅倉訳が出て、改めて読み比べてみると、登場人物のボブ・アークターが壊れてしまった後なんかは、山形さんの訳の方がしっくり来て、アークターが人とは違う何かになってしまった感じがよく伝わってくるように思う。細かな感情表現など、僕らがリアルに感じる言葉で訳している分、感情移入も誘われる。この山形さんの訳に対しては好き嫌いがはっきりでそうな気がするけど、若い子は多分こちらに惹かれると思う。
一方、浅倉訳の方は、文の調子に慣れているせいもあってか、文章が読みやすく、文の繋がり、運びが上手くよどみない感じがした。あまりにもすぐなくなるような現代的で過激な表現は使われてないし、それだけ文が柔らかいので、ディックをはじめて読む人とかには、浅倉さんの訳がお勧めだと思う。
読み比べても楽しめるので、ディック好きなかたは、躊躇せず、両方、出来れば原書も買いましょう。
何度読んでも、アークターが分裂して行くところの描写や、最後の農場での独白は心に迫るものがある。
