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内澤 旬子

解放出版社

グループ:Book

ランキング:23608

価格:¥ 2,310

ポイント:23 pt

発売日:2007-01

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カスタマーレビュー

ちょっとヤジウマ的描写に終始しすぎな気が・・・  (2008-12-12)
最近読んだ食育関係のレビューで推薦されていたので読んだけれど、お肉を食べるからには知っておいたらいい内容が書いてはあるものの、自分を「ウチザワは・・・」と連呼する文に違和感・・・。この人はバブル世代の人ではないかなぁ。ただ事実を客観的に見つめる視線じゃないんだな。野次馬のノリなんだよね。え?豚?どうやって殺すの〜?えー血がドバドバ?ウチザワ、怖くない〜。肉おいしそう〜。自分が怖かったか怖くなかったか。怖くなかった自分にみんなから「君ってすごい」と言ってもらう。
それが読んでいてめんどくさく、だいぶ読み飛ばしてしまいました。

それとは別に・・・・分かったこと。

・日本の食肉安全衛生管理は非常に徹底している。
・アメリカの場合、ダブルスタンダードとなっている。通常の肉(Kマートで買えるような)の場合LowestJobとしてヒスパニック移民が担当。 中流リベラル層はオーガニック(トレイダーズジョーで買うようなの)を買って動物愛護の罪悪感を軽減させて(たつもりで)いる。
・食肉解体業者への偏見は韓国、日本にあるが、その他の国ではない。

「大きな森の小さな家」ではローラたちは秋になり豚をベーコンにする季節になると膀胱を風船にして遊ぶ。これは一大収穫祭、という感じのお祭りだ。家族の幸せな生活の1ページ。

ウサギを見てもおいしそう、だし。西欧の食と家畜、野禽は美食のみならず家庭の温かさを語るには欠かせない。
カリフォルニアでは今でも牛を飼って1頭まるごと食すことが中流の贅沢の一環だ。

家畜との付き合い方が昔のローラたちと今の私たちでは随分違う。その違いの正体はどういうものなのか、そのあたりのことが知りたかったのだけれど、この本にはあまり書いていなかった。

肉を食べることの意味  (2008-10-02)
この本のテーマは「肉を食べることの意味」であるように思う。
人間として、生きている動物を殺し、その肉を食べる。その行為の意味を探求するために屠畜の現場を巡り、世界各地の様々な人々の話を聞き、まとめられた本である。
そのため、『世界屠畜紀行』という題名を持ってはいるが、決して紀行を主体とするものではない。屠畜の過程が見えず、食肉という結果しか見えない日本に生きる著者が最も精力的に取材し、最も紙幅を割いたのが芝浦屠場であったのは必然といえよう。世界各地の屠畜の現場は日本の屠畜を映し出すための鏡である。

世界と日本を比較して最も対照的なあり方は屠畜に従事する人々への差別である。世界では高度な技術者として尊敬され、経済的にも社会的にも高い位置にある場合も多いことと対照的である。日本では仏教の殺生戒などとの関連もあるかもしれないが、世界的に見れば非常に珍しいあり方であるようだ。ただ歴史的経緯もあり、かなり複雑な問題のため、著者も問題提起し、疑問を呈するがそれ以上の結論を出すことはできない。であるからか著者はひたすら屠畜の現場を丹念に描写する。そこには怖れも汚れもない、尊敬すべき高度な技術者の営みを見ることができる。

全編を通じて流れるのは生命を奪う屠畜という行為に対しての畏敬の念と言えようか。人が生きていくことは必ず他の生命の犠牲の上に成り立っている。残酷だから、汚いからと敬遠したり差別したりするのではなく、動物がかわいそうという近視眼的な視点から糾弾するのではなく、人が生きるために犠牲になった動物たちへの感謝の念と高度な技術者である屠畜の関係者への敬意を込めて肉を食べるという行為の意味を考え続けていく必要性を感させられた次第である。

知るということ  (2008-08-10)
森達也さんの本「いのちの食べかた」を読んで、そして映画「いのちの食べかた」を見た。
そして自分が普段口にしている肉が、どうやって加工されているのか、そういえば知らなかったことに気付いてハッとした。
魚を裁く場面はテレビでも放送するが、家畜を屠る場面は見る機会がない。日本人は古くから血にたいして穢れの意識を持っており、そのことが屠殺に関わる人への差別を生んでいるらしい。
この世界屠畜紀行(屠殺という言葉はあえて使わない)は、日本にはそんな穢れ意識や差別があるが、世界ではどうなのだろう?という疑問を晴らすべく自腹で各国の屠畜事情を探ったルポである。
宗教や肉食文化の違いがあるように、屠畜、屠畜者への考えかたも様々なのが興味深かった。
著者の行動力と、知りたい欲、それを伝えたいという熱意は、この本のボリュームと緻密にかかれたイラストからひしひしと感じることができる。
著者は具体的な差別例は書いていないし、実際の生活で屠畜に関わる人へ差別も感じたことがないためピンとこないところもあったが、実際にあることなのだという。
この本では、差別の部分は前面に出さず、屠畜という作業そのものを忠実に伝えることで、人々の屠畜への意識を変えようとしている。
怖いとか、グロいとか、かわいそうとか、なんだかんだいって自分も恩恵を受けている肉。
それがもともとは生きていた命であり、たくさんの人の労働と時間を使って、食べられる状態になっている。
その過程を知り、心から「いただきます」ということ、そして命を無駄にしないことが大切なのだということをイラストとカジュアルな文で肩肘張らずに教えてくれる1冊だった。
この本を面白いと思ったかたは本と映画「いのちの食べかた」(まったく別物です)も見て欲しい。

スゴイ人だわ〜  (2008-08-10)
毎日食べてるお肉。
なのに「殺して加工する」という部分からは
なるべく目をそらしているのが普通です。
この著者の「どういう風にやっているのか知りたい」
という素朴な疑問を行動に移し
世界のあちこちにつてを求めて
実際に見に行っちゃう、
その行動力に感嘆しました。
やりたいことをそのままやる、
その部分がさっぱりしてておもしろい人だわ〜。
「気持ち悪くないんですか?」「ホントに平気?」
としょっちゅう聞かれても
変に理屈付けるふうもなく、
淡々として見たいものを見て
書きたいものを書いています。
本当にさっぱりしてて気持ちのいい書き振りです。
・・・でもやっぱり
犬の章は無理。
どうしても気持ち悪く怖いです。
この著者自身も犬好きらしいので
信じられない気持ちになりました。
いろんな人がいるんだわ〜
チェコのようにお肉屋さんや屠畜の上手な人が
すごく尊敬されてる国もいっぱいありそうで
そこは読んでいても楽しく
全体にはとても新鮮な興味深い内容でした。

我らの日々の暮らしの根っこ  (2008-08-07)
飯を喰う、調理する、楽器を奏でる、音楽を聴く、絵を描く、靴を履く、われら人類の日々の生活は屠畜の延長線上にある行為の連続と言ってよいのだが、なんでだかどうやってそれを行うのか知らずに居る。足許を見ないまま歩くようで酷く不自然で不安定でなによりこれは野蛮なことだ。
その形容し難い不安をある程度解消……してくれるわけではないが、とにもかくにも第一歩になるだろう本。
作者はその好奇心とパワーとでもって、世界の屠畜の現場を歩きに歩き、見た聞いた感じたことをそのままに、ひたすらにひたすらにレポートする。無論彼女自身の感じたそのままを描いているので、「ああこれは違うなあ。血と汗と恐怖、に、大体書いてあるよ」とか「いやゲルマン文化圏だしね」などと注釈したくなるところは多々あるのだが、それを敢えて行わないところがこの本の潔さであり美点でもあると思う。

ごく普通の日本女性のコモンセンスでもって、我々の日々の暮らしの根っこのところをしっかりと捉えようとした、本当によい本。さり気なく装丁がとてもお洒落なのも、作者の趣味のよさを感じさせる。かならずカヴァー下もチェックすべし。

実はこれ単純に紀行文としても一級品。装丁がかっこいいのでプレゼントにもよいと思う。イラストルポとか軽いエッセイとか、そういうのが好きなひとにもお薦めです。面白いから!

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