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加藤 幹郎

みすず書房

グループ:Book

ランキング:114023

価格:¥ 1,365

ポイント:13 pt

発売日:2005-06

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カスタマーレビュー

美しい活用法だ  (2005-11-14)
個人的に先行研究の使い方が上手だと思うのは 加藤幹郎だ。昔のジョイス論(「キルケ」挿話を中心とした論文 )で、この論文の論旨に関係のある範囲での『 ユリシーズ 』批評を、三段階の批評史にまとめあげていた。これは、この 論文を離れたところでも役に立つチャート だと思う。ヒッチコック 『裏窓』論でも、先行研究 の、そして登場人物の、そして映画観客の「盲点」をついており、かつ、この盲点の指摘こそが『裏窓』を観るという経験の中心になっていた。美しい活用法だ。

シリーズ名に偽りなしを実感。  (2005-11-14)
この本は面白かった。『裏窓』で殺人を客観的に証拠立てるショットはひとつもないと著者は指摘。えっ、そうだったんですか?? こういう読みは、本当に楽しい。若島正のクリスティ論を思い出す。『裏窓』見直さなきゃ。《理想の教室》の1冊。 シリーズ名に偽りなしを実感。

演出に興味のある人におすすめできる  (2005-10-01)
面白かった。ヒッチコックの映画とは「外見と内実の乖離」である、とみごとに評している。ここまで単純化していながら、ヒッチコック作品から離れていない批評は読んだことがなかった。テーマ論におちいって、映画を見てなくても脚本を読んだだけで語れてしまうようなくだらない批評が多すぎるなか、これは快挙だと思う。文章も堅苦しくなく読みやすい。演出に興味のある人におすすめできる。

面白かった  (2005-09-26)
面白かった。ヒッチコックの映画とは「外見と内実の乖離」である、とみごとに評している。ここまで単純化していながら、ヒッチコック作品から離れていない批評は読んだことがなかった。テーマ論におちいって、映画を見てなくても脚本を読んだだけで語れてしまうようなくだらない批評が多すぎるなか、これは快挙だと思う。文章も堅苦しくなく読みやすい。演出に興味のある人におすすめできる。

「古典映画」とは何か  (2005-09-06)
ヒッチコックの代表作『裏窓』を分析を通じて、「古典映画」とは何かを論じ、映画史におけるヒッチコックの果たした役割を明解に説いた好著。 『裏窓』の最大の謎は、いったい「殺人事件」は本当に起きていたのか、ということだ。映画の主人公をはじめ、この映画を見た観客も、「殺人事件」が起きたことを疑わない。しかし、映画を見る限り、「殺人事件」が起きたことを示す客観的証拠はないと著者は指摘する。そして、ここにヒッチコック映画の本質を見出す。ヒッチコックの映画の本質は、「外見と内実の乖離」であると著者は主張する。つまり、見せるものと語られているものがズレが生じてしまう。こうして、ヒッチコックは「光学的欺瞞」を告発する。古典的ハリウッド映画とは、「見せること」と「語ること」を一致させる運動だった(p.58)。そして、この関係に乖離を生じさせ、古典映画を終結に導いたところに、ヒッチコックの映画史上における役割をみる。

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